2010.04.18

『ナオキ JAPAN: A Story of Love and Hate』上映&トーク 2010年4月25日(日)

【日時】 2010年4月25日(日)
【場所】 ひと・まち交流館京都 2階 第1・2会議室
参加費 1000円
【主催】 ドキュメンタリー・フィルム・ライブラリー
【共催】 NHK
【問合】 マタガワ 075-344-2371

  • 12:00 映画上映
  • 14:00 トーク「ナオキさん×NHKプロデューサー」
  • 15:00 映画上映
  • 17:00 トーク「ナオキさん×NHKプロデューサー」

『ナオキ JAPAN: A Story of Love and Hate』

山形国際ドキュメンタリー映画祭:特別賞/市民賞受賞作品
ナオキさん、ヨシエさん来場

ドキュメンタリー映画&トークセッション

イギリス人監督が山形を舞台に日本のワーキングプア層の悲哀と希望を描く国際共同製作作品。かつて学生運動に身を投じ、事業で成功、バブル崩壊で転落、今は郵便局でアルバイトをしながら20代の恋人と暮らすサトウ・ナオキさん。時代を映す自らの人生をチャーミングに、誠実に、カメラにさらしていく彼を通して、監督は先進国ニッポンの陰の現実に素朴な問いをかけ、友情を深めながら人間関係を変えていく。2009年1月放送のNHKハイビジョン特集「東京モダン」で放送。
山形映画祭:市民賞受賞作品


監督:ショーン・マカリスター

1965年、ハル生まれ。16歳で学校を出て、いくつかの工場を転々として働いていた時にカメラと出会い、国立映画学校に入学。1996年に卒業後はBBC、チャンネル4、NHKのために映画を作り、数々の賞を受賞した。これまでイラク、イスラエル、日本で撮影してきたが、常にルーツに立ち返り、自分の故郷であるイギリス北部の小さな都市で、かつては漁港だったハル(山形に非常に似ている)でも映画を作っている。マカリスターは、自分の映画について「逆境を生き延び、政治的および個人的な対立に巻き込まれつつ、私たちが住む世界の意味を理解しようともがく、世界の様々な地域の人々の内面的なポートレート」と語っている。

主な作品は、『Working for the Enemy』(1997)、
『The Minders』(1998)、『Settlers』 (2000)、
『Hull’s Angel』(2002)、『Liberace of Baghdad』(2005)。


監督の言葉

私はスタッフなしで、自分とカメラだけという異例のやり方で撮影する。撮影する土地へ行き、そこで時間を過ごして、印象的で魅力ある人物を探すことによって、その場所を理解しようとするのだ。戦火に引き裂かれたイラクで前作を撮った私にとって、日本での撮影は楽な道に思えた。NHKの小谷亮太氏より、「東京モダン」というシリーズを作ってほしいと依頼された。当初は張り切っていた私だったが、東京でさまよううちに、この映画がいままでで最大の難題だと気付いた。私のジレンマは、日本をあまり好きになれないということだった。人々の個々の魂を殺してしまうような、非常にハードな社会だったのだ。公園にいるホームレスを見ていたら、そのうちの一人が私にこう言った。「気の毒だなんて思わないでくれ。俺は今、自由の身なんだ」。私は、このような複雑さを捉えた映画を作りたかった。しかしカメラの前で、本当に正直に話してくれる人はいなかった。

やがて1年がすぎたが、撮影対象は一人も見つからずじまい。私はこの仕事を下りる決心をしたが、BBCとNHKから拒まれてしまった。その後、ロンドンの友人が、数年前に山形で英語を教えていた時に知り合ったナオキを紹介してくれた。ナオキは外人向けのバーを経営していて、そのバーが、彼と外の世界をつなぐ窓口となっていたが、私が彼に出会った時には彼はすべてを失った後だった。ナオキは、私の日本での使命を理解し、果敢にも撮影に応じてくれた。さらに興味深いことに、彼は自分が恋愛関係において直面している困難に挑み、克服するための推進力として、この映画利用した。その結果、まったく包み隠しのない現代日本の実態が浮き彫りになった。私が捉えたかった多くの事柄が、ナオキの恋愛関係や、職場での問題に表れていたのだ。私の使命は達成された。これが3年かけて作った、私の日本”愛と憎しみの物語”(『ナオキ』の英題)だ。

(企画案内より)

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