『平和を訴える良心的徴兵拒否者』 ジンジン 第2回 彼らの声に耳を傾けよう。
最近、韓国では毎日、アメリカ産牛肉の輸入に反対する「ろうそくデモ」が開かれている。韓国政府がBSEなどの恐れがある30ヶ月以上の牛肉の収入を許可したことが原因であった。安くて、危ないアメリカ産牛肉が学校の給食の材料になるのは同然なこと。これに危機意識を感じたある高校生らがネット上で「ろうそくデモ」を呼びかけたのがきっかけになり、3百万人あまりが集まる市民運動になった。まさしく、韓国の民衆の力をあらわす運動であろう。
しかし、京都のある大学で学生運動を呼びかける運動家が、「韓国のろうそくデモは韓国の名門大学であるOO大学の学生らが引っ張っている」、「日本の名門大学である我々が日本の学生運動を引っ張って行かないといけない」という発言をしているのを見かけた。それを聞き呆然とした。この紙面を借り、韓国の「ろうそくデモ」は自分の健康や権利を守ろうとする、韓国民衆の自発的で熱い心が生み出した運動であることを理解して頂きたいと思う。
平和的な「ろうそくデモ」に、対スパイ作戦にのみ任務を行うはずの『戦闘警察』が出動した。韓国においてデモの現場に『戦闘警察』が投入されるのは当然なことである。戦闘警察はほとんどが市民であるデモ行列を暴力で抑え始めた。戦闘警察も徴兵制の一部であり、自分の意思とは関係なく、戦闘警察の任部が任されるのである。なので、戦闘警察のほとんどが20代頭の若い人である。このような戦闘警察の行動に対し、自らも戦闘警察である2人の若者が「意思表示」をした。
その中の一人、Aさんは“ろうそくデモの鎮圧に投入されるより、刑務所にいく方がいい”と7月、部隊に復帰せず、徴兵拒否を宣言した。イラクへの派兵に反対し、現役兵士が休暇から復帰せず、徴兵を拒否した場合はあったが、戦闘警察が服務の途中、徴兵を拒否したのはこれまでなかった。
もう一人のBさんは“戦闘警察として本来の任務ではないことに動員されるのは良心に反することだ”と言い、代わりに陸軍での服務を求めた。
彼らの「良心」を守るために、良心的徴兵拒否運動をする多くの人々は集まった。あらゆる方法で彼らの良心を守ろうとしたが、結局、Aさんは8月7日、拘束、Bさんは勤務をサボったという理由で15日間拘束された。
このように、韓国社会では徴兵に拒否する人々が増えている。徴兵を拒否する人は、周りの人たちからの非難に苦しみながら、刑務所に行かされ自由を奪われながら、何を守ろうとしているのだろうか。それは、平和である。暴力や戦争がない世界である。暴力や戦争に向き合い、暴力ではなく、「良心」を用い戦っているのである。彼らは平和主義者であり、反戦争主義者である。
しかし、韓国政府は良心的徴兵拒否権を求める彼らの声を聞こうとしていない。むしろ、以前の政府が整えた(2008年末まで、関連法律を改正し、
2009年から良心的徴兵拒否を受け入れる)法律を見送った。今の政権は「実用主義」をモットーとしている。平和ほど実用的なものはない。平和を求める良心的徴兵拒否者の声こそ、「実用主義」政権の力になるはずだ。
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