「遊んでないで真面目に仕事を探せ」 Union Extasy リレーエッセイ 第6回
K: ストライキ(京大時計台前のクスノキの下で座り込み)をはじめて、ちょうど3ヵ月ですね。
M: 風呂入りたい。昨日「沖縄カフェ」という企画で、辺野古の座り込みの映像見てたんだけど、やっぱり「風呂入りたい」言うてた。
K: 座り込むこと、カフェをすること(オープンであること)、これは何が大変かってうまくいえないけれど、
M: とにかく「ずっといる」ことが大変。ひとつ所にいて動くな、というのはなかなかの修行ですよ。なんだか人格が高まってきたような気がする。
K: 人格?
M: いえ、なんでもないっす。あと、一日中ずっと人に見られてるのが……。
K: 見られるように、目立つようにつくったんだけどね、そういや、石垣カフェもそうだったんですよね、まさやさん。いや、あんたは座り込みの天才です。それはこの3ヵ月でよくわかった……いま私はキョートット出版の新刊の準備で忙しくて……。
M: できあがるのが楽しみです。
K: おお、そんでどこか、天才まさやに負担がいってる、ほんま忙しいですよね、座り込みは。
M: うん。でもしょっちゅう「遊んでないで真面目に仕事を探せ」って怒られる。今日もカフェに来た「幸福の科学」のお姉さんに、長々とお説教されました。ああ、こんなに朝から晩まで忙しいのに。超・長時間労働ですよ。
K: もう、禿げそうです。そして、その言葉よく言われる、批判的にも、同情的な感じでいわれることもある。あんまり反論してないけれど、本当はいいたいことがいっぱいある。そしてそれは、実に多くの問題群をはらんでいると思うのです。
M: まず(1)座り込み=カフェは労働ではないのか、
(2)真面目にやってるのになんでいつも不真面目だと言われるのか、
(3)仕事を探さないことは悪なのか、という風に整理される。
K: いやもっとありますよ。
(4)そもそも遊んでいたらいけないのか
(5)もともと、私たちは、生活にせまられてストライキをしたのではなく、怒りと悲しみの表現としてしてしまったので、この批判自体が的はずれなかんじがする。
(6)……
M: うーん。「幸福の科学」のお姉さんに反論するのもなかなか難しくて。でも、「自己責任だ」とか「甘えてる」とか言われてもなあ。「真面目に努力しろ」ったって、自分では努力してるつもりなんだけど。なんで努力してないって見られるんだろう。
K: まさやは努力している。努力することなんて、一つしかありません。どう遊ぶかです。仕方なく我慢することなんて努力とはいいません。
M: いやいや、我慢することも大事ですよ。たまには我慢してみましょうよ、何かを。そうだ、明日からハンストやりましょう。
K: えっ。
M: やっぱりやめましょう。でも、遊んでいると怒られるのはなぜでしょうね。我慢して仕事してるほうからすれば、やはりムカッとくるんでしょうけど。というか、そもそも私ら含め、何らかの我慢をしないと、カネは稼げないわけですよね。
K: 我慢というのはね、私がするにしても隣の人がしてるにしてもなんだか怖いんですよ、私は。
M: うーん。
K: しかし、我々はそんなに不快なんでしょうか?
M: 明らかに不快でしょう。目障り極まりないですよ。だからお説教されるわけで。
K: お説教される人生です。
M: でも結局、全然従わないわけですよね……。今回ストをやって、恭平さんがすごい頑固者だということがよく分かりました。
K: えっ、なんだか、私が頑固だから座り込みを続けてるみたいに思われるじゃないですか、実際はあなたでしょう、いろいろ。
M: はあ……。
K: ああ、今更ですが、だんだん自分の人生が不安になってきました。
M: キョートット出版があるじゃないですか。大丈夫ですよ。お互い、なんとかなりますって。
K: 溜めがあるっていうことですか、湯浅さんのいう溜め、が。
(小川恭平×井上昌哉)
京都大学時間雇用職員組合 Union Extasy
http://extasy07.exblog.jp/【2009年2月23日~ストライキ・座り込み中】
606-8317 京都市左京区吉田本町
京都大学時計台前クスノキ下 くびくびカフェ【カンパ宛先】 京都中央信用金庫 百万遍支店
0955268 ユニオンエクスタシー
(PeaceMedia2009年5-7月号掲載)
Tags: ユニオンエクスタシー, 労働, 反貧困・憲法25条
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