もっとイメージを! ガザ 行動提案 (AML転載)
もっとイメージを! ガザ 行動提案
イスラエルによるガザ攻撃を、日本のマスメディアは、ハマースのロケット弾攻撃に対する報復(NHKほか)、憎悪の応酬(朝日「天声人語」)といった「対立」に回収・矮小化しています。
それによって報道は、実際には出口のない狭い檻に閉じ込められた150万の人間たちを世界最新鋭の兵器で無差別に殺戮しているという、圧倒的な非対称性を隠蔽しています。
圧倒的な非対称性はそれだけではありません。
イメージについても言えます。
イスラエルは外国人ジャーナリストのガザ立ち入りを認めていません。
日本のマスメディアの特派員たちは、イスラエルで取材しています。その結果、ハマースやヒズボッラーのロケット弾で攻撃された現場から、破壊の映像とともに、被害者の震える肉声も紹介しながら、レポートします。戦争を支持するユダヤ系市民の声も紹介されます。
(しかし、ユダヤ系市民を中心とした1万人の反戦デモがあり、ユダヤ系市民自身が、この戦争の欺瞞性を告発しているという声は紹介されません。)
ガザからも、間接的に入手した映像が流されますが、病院に運ばれる負傷者の映像などが主です。こなごなに粉砕された建物、瓦礫の山になった建物など、集中的な爆撃による被害の実相を伝える映像、無惨に殺されている子どもたちの姿は、マスメディアの報道では流されません。
後者はあまりに生々しいので、放送規定にひっかかるためもあるのでしょう。アブーグレイブの虐待でもそうでしたが、被害があまりにむごたらしいがゆえに、その実相がマスメディアでは報道されないという逆説です。
さらに、ネットではさまざまな写真が流れていますが、クレジットの問題がしたり、撮影者が不明だったりするために、マスメディア等では、マテリアルがあっても使えない、という場合があります。
また、ガザの人々の(文字通りの)肉声も伝えられていません。
端的に言えば、マスメディアの報道は、日本の市民が、この出来事について、具体的な「イメージ」をもつことを妨げており、イメージをめぐる非対称性は、この事態に対する私たちの認識や受け止め方に著しく影響を与えています。
インターネット環境にあり、ガザをめぐるさまざまな情報に触れている私たちは、ガザからの映像にも触れています。
しかし、そうでない人たち(ネット環境にいない人たち、いても、こうした情報の流通の外にいる人たち)が、ガザについて、マスメディアが報道しない情報、とりわけ具体的な映像に触れるチャンスはほとんど、ありません。
そこで、「私たちにできる25の行動」に以下、追加します。
「25の行動」リストの最初に、「事実を入手し、広めよう」とありました。
いま、ネットを通じて、さまざまな情報が交換され、共有されています。
それを、
1.できるかぎりネットの外でも広めよう。
2.現場の肉声・イメージ(写真)を届けよう。
「肉声」を届ける方法については、現地の人に電話でレポートしてもらって、その肉声を集会等で紹介する、というアイデアを先日、紹介しました。さっそく、明日10日の大阪での集会でも、そうした試みがなされる予定です。
写真については、新聞等では誰が撮影したのか分からない写真は載せられません。でも、市民だったら、そういうことにあまり拘束されないで、ネットで入手できる写真を共有しあうことが可能なのではないかと思います。
共有の仕方はいろいろあると思います。
1)集会等で、スクリーンに大きく映し出して見せる。
これはお薦めです。とくに破壊の光景は、
ラップトップのパソコンの小さなモニターで見ても、
その被害の実相がじゅうぶん伝わりません。
2)即席写真展をする。
ネットからダウンロードして、印刷して、拡大カラーコピーして、
色模造紙に張って、展示する。
展示場所さえあれば、そんなに費用もかからず、できると思います。
場所があれば、今日、準備して、明日からできます。
「平和を考える会」のやくしげさんからの情報によると、
パレスチナのマアン通信社のサイト http://www.maanimages.com
登録と1枚につき10ドルが必要とのことですが、キャプション付きで揃っており、クレジットも明確です。オンラインですぐにできるそうです。
ガザのアブデルワーヘド教授から送られてきた100枚以上の写真が、以下にアップされています。
http://picasaweb.google.com/tigrimpa/wLVhCF
撮影者が不明なためクレジットの問題がありますが、
そこはおのおの知恵をしぼって、クリアーしてください。
2009年1月9日 岡真理さんの投稿より、転載
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