2007.08.04

かげもん 『京都というまちを考える試み。』第8回 立命館大学でハンストが行なわれる

 去る7月17日から20日にかけて、衣笠の立命館大学の西側広場にて、
ハンストが行われた。ハンストと言っても、なかなか想像力がわかなく、
しかも立命館大学という、関西でも屈指の管理強化で居心地の悪さを発揮しているキャンパスでの行動ということで、興味本位もあり、行ってみた。

 何のためのハンストかということを書いておくと、
非常勤で語学を教えている講師が、勝手に解雇通告を受けたことに対する
抗議ハンストである。詳しいことは参考サイトなどを見てほしいのだが
http://gurits.exblog.jp/i20 )、そのハンスト現場は、異空間を大学内につくり出していた。

 10時から開始しているということで、私は10時過ぎには立命館に着いた。
ハンスト現場へ行ってみると人がいなかった。知り合いの立命の人に
「早いねー」と言われた。なんとも時間通りに始まらないというのは、少なくとも大学という場にとって重要である。そこには将棋があった。夜勤明けでくたびれている人がハンスト現場に現われ、その人と将棋をした。私が勝った。ハンストのブログなどを見ていると、将棋が流行していたようだ。

 周辺を学生が通る。「パンスト?」や「反スト?」という、様々なつぶやきが聞こえてくる。ハンストという単語は、そんなに学生には浸透していないようだが、カフェになっているハンスト現場には、多くの人が訪れ、色んな話声が重なっていた。非常勤講師の人もたくさん訪れた。語学の教員のほとんどは超不安定な雇用形態である。また、カフェを実質支えていた大学院生や学生も、不安定な形で働いているしその予備軍である。本当に多くの人が、自分の参加できる時間を見つけて現場に訪れていた。私は数時間しかいなかったが、様々な人が訪れ、会話がなされる場というのは、大事だと思う。

 ハンストに対し、立命館大学当局は、ほとんど介入してこなかった。そのへんの理由はよくわからないのだが、ハンストを通して、様々なことが行われ、とても創造的な空間になるような、ハンストだったんじゃないかと思う。これだけ何も言われないなら、もっと色んなことをしてしまいたい、と勝手に思う。もちろん、これからも抗議行動は継続する。考えてみると、秋に始まる後期は、だんだん寒くなる。寒い日には酒と鍋がたまらない。
学生にとって、鍋は弁当であり、酒はスポーツドリンクである。
そんな、学生の想像力が、あのハンスト現場を思い出すたびに・・・

 最後にハンストを貫き通した方、
そして常に場をつくりあげた皆さん、本当にお疲れさまです。

(C)かげもん 2007年8月記 (PeaceMedia2007年9-10月号掲載)
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