隣で働く人(派遣労働について) Union Extasy リレーエッセイ 第3回

ユニオンエクスタシーの小川恭平です。
私は時間雇用職員(非正規雇用)として、京大のある図書館で働いているのですが、いま職場で気になることは、派遣で働いている人たちのこと。
実は、これから書く文章、エクスタシーニュース1号(機関紙できたのです!)の続きです。少し新聞から、引用します。

京大で働く人は、直接京大に雇われた人だけではないです。派遣、業務請負、生協の職員、、、そのため、同じ職場で働いていても、雇い主が違うので、つながりにくく、分断されてしまいます。(実際私も3年間、民間企業からの業務請負で大学図書館に働いていました。そのときも、テーブルを向かいあわせで働いている直接雇いのアルバイトの人たちと楽しくは働いていたのですが、なにか分断されている感じはありました。)

ぼちぼちの委員長は、労働者が分断されているのは今に始まったことではない、ずっとそうだ、といいますが、ここまで細かく分断され、つながりをたたれているのは有史以来ではないでしょうか。
今こそ団結の時、というフレーズがうかびます。

さて、派遣について、です。
京大のどの職場でも、定員(正規雇用)の人は数えるほどで、多くが非正規、そしてだんだん派遣の人が増えてきているようです。
雇用側がなぜ派遣をふやすのか、その理由は労務管理がやりやすいからのような気がします。人事関係の仕事が簡単になるということと、それと都合良く使えるということ。
働いている側からいうと、都合良く使われる、つまり諸権利が削られ抑圧されているような感じがする。それは、どうしてか? 二重に支配されているからだと思います。つまり、職場での上司と派遣会社の上司に。

二重支配といえば、わたしは沖縄のことを思い出さずにはいられません。
十何年か前、私は沖縄にいて、そのとき、ここは二重の植民地なのではないか、米軍と日本の、と思いました。
当時、沖縄は太田知事、基地問題の解決に全力であたっていました。しかし、日本政府にいってもたいして動かず、アメリカ政府にいい顔をするばかり、ちゃんと交渉しようとはせず、いて下さいという感じに毎年毎年思いやり予算を米軍に払い続ける、だけ。
なので直接、沖縄県は直接ワシントンまで行って、交渉しにいく。すると、それを外交はどうのとかいって日本政府はやめさせようとする。アメリカ政府もそれを日本国内の問題にしたがる。
結局、沖縄は日本から独立しないと、交渉さえちゃんとできない。

これは、派遣労働者がおかれている状態に似ている。

例えば、働いている職場で嫌なことがあったとします。
それを、雇い主の派遣会社に言ったとします。でも、雇い主はたいていお客さんである職場に悪い顔はしないし、現場を知らないということもあり、ちゃんと交渉はしてくれないばかりか、労働者に我慢するようにいったり、また配置換えで対処しようとしがちです。ならばと直接職場の方に言うことも、雇い主は嫌がります。また職場に言ったとしても、雇用関係がないとか、会社を通してくれ、みたいな応対をされることもありえます。(法律上は、セクハラについては職場にも対処義務があるとのこと。)

対応してもらいにくい、のですが、その前に、いいにくい、という面があります。それは、個人として働くことと、派遣企業の人間として働くということの二重の意味をおわされてしまってるからだと思います。
自分の仕事ぶりが、派遣会社の評価になってしまうので、派遣会社を背負って働かなくてはいけません。個人として嫌な目にあっても、会社の人間として動くように要求されるような。逆に自分が失敗した場合でも、個人の責任だというのと、それが会社の責任になると感じるのでは、受けるプレッシャーがぜんぜん違います。

もちろん、派遣会社のまし、ましでないということはありましょう。私が以前いた会社はとてもよく、労働者のために交渉してくれたりもする(職場によっては直接雇用の人より権利が守られることもありえる)のですが、構造が変わるわけではないので、限界があります。あまり労働者側にたってしまうと、契約が更新されないということもありえます。

(沖縄の話に戻ると、復帰の時、9条もあるし米軍よりは日本はましだろうから、基地もなくなるはずだ、思ったはずです。たしかに日本政府がもっとましな政府ならば、ちゃんと交渉したり等で、基地が減ったかもしれません。でも、安保条約をあるかぎりは、限界があるようにも思います。)

労働者に利点がある場合もあるとは思いますが、派遣労働とはどこかへんです。巧妙に労働者の諸権利が制限されているかんじがする、(時間雇用もそうですが、)それで、都合よく使い捨てにされてしまっている――

そう、それで、です。
隣で働いているのに、雇用主が違うからといって、分断されているこの状況、
おかしくないでしょうか?
どうでしょう、みなさん。とくに、全国の職域組合のみなさん、
隣で働く人が一緒に闘える組合もあるべきではないでしょうか。

京都大学時間雇用職員組合
Union Extasy
http://extasy07.exblog.jp/

Union Extasy (文責 小川恭平 )
(PeaceMedia2009年1月号掲載)
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