『平和を訴える良心的徴兵拒否者』 ジンジン 第3回 2008平和キャンプで出会った人達(1)

 京都に吹く風も随分ひんやりとしてきた。日も短くなりもう冬が近いのだろう。私が育ったソウルの冬より京都の冬はずっと暖かい。だけど、なぜか私には京都の冬がずっと寒く、さびしく感じられる。だからなのか、蒸し暑くてぐったりばててしまう京都の夏がちょっと恋しい。この夏、私は忘れられない経験をした。今回はこの経験について話したい。

 去る8月末、蒸し暑い京都から抜け出し、韓国に向かった。
「2008年平和キャンプ」に参加するのが目的だった。

 「2008年平和キャンプ」とは、「戦争のない世の中」という市民グループと「平和人権連帯」という市民グループを中心として、1年に1回行われる平和運動家たちの合宿である。徴兵拒否運動に関っている仲間たちが集まり、このキャンプで新たな共同体が作り出されると言っても過言ではない。

 私は今年はじめて参加した。「戦争のない世の中」人達とは以前から付き合いがあったが、この市民グループの支援者や平和運動家と会う機会はなかった。一体、どんな人達が来るのか緊張した。

 平和キャンプの場所はソウルから南に1時間半ほど離れた静かな田舎の公民館。平和キャンプが始まり最初にしたことは、自分の名前を変えること。自分なりの新しい名前を作り替えることであった。平和キャンプの間、新しい自分を創り、新しい自分を発見し、また、新しい自分を周囲に見てもらうことが狙いだそうだ。自分を規定する名前を捨てることで、韓国社会では今も根が深い年齢による序列関係を崩す。このようなことから新たな人間関係が生まれるという。また、徴兵を拒否する人の中には同姓愛者が多く、この平和キャンプにも多くの同性愛者が参加したから性別も考慮しない。田舎の公民館は、韓国社会の一般的な価値から自由な空間であった。
3泊4日、徴兵を拒否した人の経験を聞かせてもらったり、これから徴兵拒否を実行する人からその計画を聞かせてもらったりした。また、国防に関係ある税金の納税拒否運動、あらゆる軍事活動に抵抗する運動の方法について話し合う機会が用意された。その中で、一番の目玉はどのようにして「建国60周年記念、国軍の日パレード」に反対行動を示すのかであった。
平和キャンプに集まった人達の共通の関心は、軍事文化に抵抗することである。そんな彼らにとって、膨大な予算を投入し、ソウル市内の街中で行われる軍事パレードは、とんでもないことだ。どうすればいいのか。彼らの口から出てくるのは「非暴力」ということばに尽きた。

(続く。。。。)

ジンジン (PeaceMedia2008年11‐12月号掲載)
第2回に戻る ≪ 「良心的徴兵拒否者」 ≫ 第4回に進む