2008.12.14

大阪医大病院の人権侵害を問う、
裁判闘争をご支援ください! 
ヨシノ支援プロジェクト (2009年1月号掲載版)

 ヨシノユギさんは、2003年から通院を始めた大阪医科大学附属病院(以下、大阪医大)でGID(性同一性障害)と診断され、2006年5月20日同病院にて乳房切除手術を受けました。その結果、左縫合部の全壊死・右縫合部の一部壊死というあり得ない事態が起こってしまいました。また、大きな不安を抱えていたヨシノさんに対して入院中・術後・壊死判明後においても精神的なケアは一切行われませんでした。

 ヨシノさんは、この壊死の原因が医療過誤であり、大阪医大各科の連携ミスにより必要以上の痛みを被ったのではないかという疑いを持ち、このまま放っておいては別の当事者も同じ経験をしかねないという思いで、大阪医大を相手に裁判を起こす決意をしました。

入院から術後に至るまでの大阪医大側の対応で、わたしたちが指摘したいのは以下のような点です。

  • 事前に何度も話し合い、納得の上で決定した手術方法とは違う術式を、突然前夜になって提案してきたこと。
  • 手術のリスク、壊死の可能性について、術前と術後の複数回にわたって確認をしていたが、主治医は「ほとんどない」「リスクとして想定しなくてもよい」「もう壊死はない」と否定したにも関わらず、両側に壊死が起こったこと。
    また壊死の診断後、原因を追及したところ「分からない」の一点張りで、「壊死は一定の確率で起こる合併症だった」と言い分をひるがえしたこと。
  • 術前と術後を通して、精神的ケアをまったく提供しなかったこと。精神科主治医は、ヨシノさんがいつ入院したかさえ把握しておらず、1月に行われた MTF(Male To Female)手術一例目の際に提供されたような入院中の精神ケアを行わなかったこと。
  • 手術において壊死を引き起こすような原因があったのではないかということ。

以上のように、大きく分けると

  • 説明義務の違反
  • GID医療のガイドラインに沿ったチーム医療の実質的不在
  • 手術におけるミス

について問うています。これらについての大阪医大側の見解を聞き出すべく、2007年3月から京都地裁において裁判闘争を続けています。それから1年半以上が経ち、書面での質問、回答、再質問を繰り返してきましたが、この間何一つとして納得のいく答えや言葉は聞かれませんでした。それどころか、大阪医大側からの書面には、誠実さは全くなく、つかみどころのないものが多く、原告個人を否定するような記述さえ見られます。これを受けて11月26日に行われた和解の協議では、当然ながら和解には至りませんでした。したがって、これからもヨシノさんとそれを支えていく私たちの闘いは続くことになります。


「ヨシノ支援プロジェクト 救い難き理想主義者ども(スクドモ)」

 なんとも長ったらしく、へんてこな名前ですみません。この名称は、原告のヨシノさんが愛してやまない革命家チェ・ゲバラの有名な言葉からとったものです。この裁判は、医療や裁判に対して全く無知な私たちが、そのプロである大阪医大病院という大きな組織に対し、真実を求めて挑む裁判です。それは容易なことではなく、ともすれば「それを大学病院のGID医療に求めるのは単なる『理想』だ」「医療裁判は長くて、難しいよ。何の意味があるの?」という批判を受けかねないものです。確かにこの1年半以上に及ぶ年月の中で、それを痛いほど感じることが何度もありました。私たちは、何のために闘うのだろうか、この闘いはどこに続くのだろうか、と。しかし、そんなとき永遠の革命家の声が、そしてその意志の延長線上にある、今を生きる多くの方たちの声が、私たちに教えてくれるのです。

「もし我々が空想家のようだと言われるならば、救いがたい理想主義者だと言われるならば、出来もしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう。
「そのとおりだ」と。」

そして

「尊厳を取り戻そう。尊厳を守ろう。百万回でもこのことを語ろう」

この声を胸に、私たちは長い闘いを生きていこうと思います。


真実究明のための力を貸してください
―We need your help and Kampaniya―

裁判闘争では裁判費用を含め、多くの経費がかかります。現在まで、既に約180万円の出費を余儀なくされています。できる範囲で結構ですので、カンパや賛同人という形で皆様のお力をお貸し頂きたいと思います。

これまでも、提訴以来本当に多くの方々のご協力やご声援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。皆様のおかげで、これまで続けてくることができています。これからも、よろしくお願いいたします。

ご賛同いただける方

  • 公表可能なお名前(必須)
  • 肩書き(あれば、自由)
  • メッセージ(あれば) をメール等でお知らせください。

カンパでの協力をいただける方

郵便振替口座
 名称: ヨシノ支援プロジェクト
 番号: 00920-1-298335 までよろしくお願いします。


第11回口頭弁論のお知らせ

【時】 2009年1月28日 16:00~
【処】 京都地裁
 (部屋は分かり次第HP、ブログ、メールでお知らせいたします)

ヨシノ支援プロジェクト
救い難き理想主義者ども(スクドモ)

[HP] http://www.geocities.jp/suku_domo/
[blog] http://sukudomo.blog.drecom.jp/
[mail] sukudomo@yahoo.co.jp
*多くのみなさまにご注目していただけるよう、
HPの充実にも力を入れていますので、ぜひごらんください!!


(関連・参照) 問われるべきGID医療の現実

 性同一性障害(GID)とは、「心の性」と「体の性」の不一致により、身体に対する違和や嫌悪を感じたり、生活上の不利益が生じたりする、一連の症状をさす診断名です。

 この症状は、1996年から埼玉医科大学倫理委員会で検討され、翌年に日本精神神経学会が作成した「性同一性障害に関する診療と治療のガイドライン」に沿って診断・治療されることになりました。そして、1998年に埼玉医科大で国内初の性別適合手術がおこなわれました。同治療には、カウンセリング・ホルモン治療・外科手術による性器形成などがあり、当初から医療費負担や体への負担の大きさ、精神と身体の医療の連携などが問題になってきました。現在は、札幌医大・埼玉医大・岡山大・大阪医大・関西医大などが、性同一性障害のガイドラインに基づく「正規の」治療をおこなっています。

 しかし、そこには様々な問題があります。GIDに対して安全で正当な医療を提供できているか、それを問うていく必要があります。スタッフの数さえいればそれでよいのでしょうか、各専門科がそろっていればよいのでしょうか。問題は体制だけではなくその内実、そして患者の「生の質(クオリティ・オブ・ライフ/QOL)」に根ざした医療だと考えます。
公式サイト 「これまでの経緯」より、転載)

【寄稿】 「ヨシノ支援プロジェクト」 2008年12月
(PeaceMedia2009年1月号掲載)

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