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2009.05.16

『「労働」に抗する身体』 ハギハラカズヤ 
第7回 青い鳥

 私とは何か。
寺山修司が死ぬ間際に谷川俊太郎に向けて問いかけたのは、私という存在の謎についてだった。二人の詩人は「私は~」「私の~」という言葉だけの詩を、互いに送りあう。寺山は「僕は日本人」「僕は男」と属性を連ねたあと「どれが一番正しいのか決めかねているのが僕自身というわけか」と言い、谷川は「これは私のメガネ」「これは私のお金」と所有物を連ねたあと「私は誰でしょう、これは私の詩ですか」と応えた。 (さらに…)

2009.04.30

『詩の生まれる場所』 竹村正人 第8回 途上

<無視><否定><嘲笑>という、日本社会が今も取り続けている態度が、被害女性にとっては暴力そのものであるならば、その正反対の態度をもって彼女達に向き合うことが、最大限、私たちにできることなのではないのだろうか。
―――村上麻衣 (さらに…)

2009.04.29

かげもん 『京都というまちを考える試み。』第14回 
とてもしょぼい入場料都市

 私が9ヶ月ぶりに京都に住み始めたのは、今年の2月であるけど、とても驚いたことがある。それは自転車置き場の有料化である。御池通りの広い歩道に自転車専用の柵ができていて、そこに金を払って自転車とめるのだ。あのシステム自体にけっこう金がかかっていそうで減価償却できているか心配になる。 (さらに…)

2009.03.14

『へいわ屋漫筆』第21回 冬から春へ

 「頬を刺す、朝の山手通り。タバコの空き箱を捨てる…」という詞で始まる、椎名林檎さんの歌(*1)がありました。語法が何かヘンと思いつつも、鮮やかに景色が伝わるので印象に残っている歌です。こんな「頬を刺す」ような冷気は、いつの間にか消え、もう春ですね。昨夜物干し台に上ると夜気がやわらかく感じられました。かすかな沈丁花の香が、その柔軟剤の役を果たしているのでした。 (さらに…)

『「労働」に抗する身体』 ハギハラカズヤ 
第6回 夢

 二年前から通ってきた生野区の小さな高校で卒業式があった。式が終わった後、受け持った卒業生と一緒に近くの喫茶店でおしゃべりをしていると、この二年間のいろんなことが思い出された。

 はじめて授業をした日、「新しい先生」を楽しみに集まった生徒の前で、ぼくは唐突に自分の過去を語り出した。学校が嫌いだったぼくがいま教壇に立っている矛盾を、ただ自分のなかに仕舞いこむのでなく、彼らと共有しよう。ぼくたちが集う教室を、教師と生徒が一緒になって言葉を作り出す場所に変えてみよう。出会ったばかりの彼らに、学校を拒否していたころの自分が何を感じ、考え、生きていたのか、表現に飢え、葛藤し、疲労した闘いの日々を、ぶつけた。それが授業のはじまりだった。 (さらに…)

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